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著者の語学学習の軌跡

学生時代

初めて英語に触れたのは、中学校に入学してから。

多くの日本人と同じように、中学校の英語の授業で初めて英語というものを勉強し始めました。

もちろん、小学校でアルファベットの読み書きや、簡単なローマ字読みは習っていたけど、英単語も英文法も発音も何も知らない、いたって普通の中学生でした。

かろうじて勉強は得意だったので、英語の成績は良いほうでした。

ただ、先生のあとに続いてみんなで発音するのがとりあえず恥ずかしかった。。

その後、高校に入学。

しかし、ここで問題が起きます。

体調を崩したことや、家の金銭的事情から、高校に通えなくなってしまったのです。

体調が改善したときに学校に通うこともありましたが、理系の学校だったので、久しぶりに授業を聞いても、理系科目は授業に全くついていけない状態になっていました。

それでも、英語に関してはなぜか周囲の子より得意でした。

やっと学校に来れた自分に対して、友達が「なんで授業に出てないのにできるんだ」と優しい言葉をかけてくれたことが印象的でした。

ところが、やはり体調の問題には逆らえず、高校を中退することとなってしまいます。

高校中退後は、体調の改善を図りながら、独学で勉強を続ける日々。

大学入学資格検定(現在は高卒認定試験)を取得し、大学受験予備校に通います。

当時の予備校の英語の授業は、自分にとっては非常に楽しかったです。

というのも、先生によってアプローチの仕方が全く違う。

構文解析を理系科目のように理詰めで説明してくれる先生。

テキストの中に、有名な詩の一節を入れて、情熱的に語ってくれる先生。

単語の持つニュアンスを深堀りし、ネイティブに自然に伝わる英語を教えてくれる先生。

ネイティブが英文を前から後ろへ自然に読み下すために無意識でどのような予測をたてているかを深堀りしてくれる先生。(いわゆる、直読直解)

情報構造を用いて、英文の中の重点情報を見抜く方法を説明してくれる先生。

マクロ的な視点で、文章の要旨の捉え方を論理的に説明してくれる先生。

偏ったメソッドは使わずに、英文法の本質をわかりやすい言葉で王道的に教えてくれる先生。

予備校で習った英語は、本当に楽しかったです。

その後、大学受験を経て都内の大学に入学することとなりました。

目次

インドでの挫折体験

自分に合う治療法を見つけ体調を改善し、晴れて大学に合格した私は、無事大学に通うこととなります。

独学での勉強から大学受験を経験した自分にとっては、大学の英語の授業は物足りないものでした。

一方で、せっかく大学生になって時間的余裕も生まれたことから、以前から憧れていたインドに行ってみたいという気持ちが日増しに強くなっていきました。

そもそもインドに憧れたのは、ガンジス河をテーマにした長渕剛さんの歌や、いろいろな作家さんの旅行記を読む中で、インド人にとってガンジス河が特別な意味を持つ場所であることを知ったからでした。

自分もガンジス河に行き、インドの人たちの人生観、死生観に触れてみたいと思いました。そして、せっかく英語を学んできたのだから、インド人と英語で哲学的な話がしたいと。

バイトをして旅行費用を貯め、大学2年生の夏、一人でインドに旅行に行くことになります。これが私にとっては、初めての海外でした。

自分にとってのインドは、ショックの連続でした。

まず、臭い。

いやもう、飛行機の中から独特のにおいでした。自分以外はほぼ全員インド人。

10時間以上乗った飛行機の中で2回とも機内食がカレーだったし。・・・もっと言うと、2回とも完全に同じカレーだった。

いざ空港に降りたっても、独特のにおいなんです。

これがインドか!と興奮するとともに、本当にこんなところに来てしまったんだな。。という恐怖もこみ上げてきました。

空港を出ると、旅行客を送迎するインド人達が、ホテル名を書いた札を手に持って待ち構えています。

事前に読んだ旅行記やガイドブックでは、インドはとにかく詐欺が多く、旅行客が拉致される事件もあるとのこと。とにかく、ビビりました。

それと同時に、落ち込みました。

インド人の話す英語が、聞き取れないんです。

英語教材のCDやドラマの中でアメリカ人の俳優さんが話す英語とは、違う。明らかに訛っています。

空港からホテルに向かう道中、送迎用のタクシーに乗りながら、案内係のインド人から説明を受けますが、これも聞き取れない。部分的にはわかるけど、ふいにわけのわからない発音の単語が出てくる。そこで、自分の思考が止まってしまう感覚。

空港に着いたのが夜だったこともあって、タクシーの窓から見えるインドの風景は、とにかく人が多く賑わっていました。でも、言葉が聞き取れない国の夜の風景は、楽しみというよりも恐怖でした。

そんな調子だったので、肝心のガンジス河に着いてからも、目標としていたインド人との哲学的な議論など、当然できませんでした。

お恥ずかしいながら、これが私のインドでの挫折体験です。

お金は無くても、それでも勉強は続けた

インドから挫折をして帰ってきた私は、改めて自分の語学学習を見直します。

当たり前といえば当たり前ですが、それまでの学校英語や大学受験英語というのは、「読む・書く・聞く・話す」のうち、「読む」という点に特化しており、学校の教育課程を経て大学受験を突破しただけの普通の大学生は、英語を自由自在に操ることなどできません。

それなら、話すための訓練が必要だということになるのですが、これには、とにかくお金がかかります。

英会話スクールに通う。留学する。

どれも一定の効果を持った有効な方法だと思いますが、英会話スクールも留学も、何十万円、何百万円といったお金がかかり、とても普通の大学生がアルバイト代で払える規模の金額ではありません。

また、外国人の友達を作ろうにも、何かツテがあるわけでもありません。

それに、もし仮に外国人の友達を作ったとしても、それだけで自分が英語をペラペラに話せるようになる想像ができませんでした。

何かを、根本的に見直す必要がある。

そう思った私は、情報収集を続けます。

その中で、一冊の本と出会いました。それは、「英語上達完全マップ」という、英語学習法の本です。

以前から、何か困ったことがあるとその分野の本を探す癖があった私は、吸い寄せられるようにこの本を読み込みました。

具体的な内容は省きますが、そこには、初級者がTOEIC900点レベルを取得し、英語を話せるようになるまでのロードマップが書かれていました。

しかも、それは特別にお金がかかるわけではなく、市販の本やCDを使ってできることばかり

まさしく、その時の自分の状況にマッチしていたのです。

すぐにこの本の中で勧められていた教材を購入し、この本に書いてあるとおりに学習を進めました。

ここで書かれているメソッドは、初期の段階では音読が中心であり、それも同じ文章を方法を変えながら何回も音読するというものでした。

正直、根性無しの自分には、かなりキツかったです。

でも、インドでの挫折体験が私を支えてくれました。ガンジス河の風景を思い出し、インド人に話すイメージをしながら音読を続けました。

当時は木造のアパートに住んでおり、家で音読をすると近所迷惑になっしまうので、バイト後に夜の川辺に自転車で移動して、ipodのライトで参考書を照らしながら音読をしたのは、良い思い出です。

ひょんなきっかけで、仕事でチャンスをもらう

その後、大学を卒業し、紆余曲折を経て社会人になった私は、満を持して英会話スクールに通うことにしました。

本当は完全に留学して英語に浸り切る環境を作りたかったのですが、それは金銭的に私には不可能でした。

英会話スクールでは、これまで続けてきた独学に加える形で、英語を話す実践の場を与えてもらいました。

それと同時に、そのスクールで意識的に教えてもらったのは、「ナチュラルイングリッシュ」という、ネイティブにとって自然な表現を身につけるというものでした。

この時になって初めてわかったことなのですが、学校の教科書や市販の本に書かれている英語というのは、時と場合によっては、必ずしもネイティブにとって自然な表現ではないということでした。

市販の本にかかれている表現も、ただ単に表現を音読して口から出てくるようにするだけではなく、その表現がフォーマルな場で使われる表現なのか、カジュアルな場で使われる表現なのか、あるいはもっと自然な別の言い方ができないかを考える必要があったのです。

スクールで教わったことを通じて、自分の英語をナチュラルイングリッシュに矯正していきました。

そのような学習を続ける一方で、なんとなくTOEICも効果測定的に受験をしていたのですが、当時勤務していた職場のルールで、資格等を取得した場合には、それを職場に届け出る必要がありました。

当時はまだTOEIC800点台だったと思いますが、上司から「英語できるの?」と軽く聞かれたことがありました。

まだまだ自信のなかった私は「少しだけです」と濁す形で答えるにすぎませんでした。

そして、その年度が終わるころ、上司から呼び出しがありました。

何かやらかしたかな。。と不安になりましたが、内容は「来年から内部異動だからよろしく」といったものでした。

なにやらその仕事は新規のプロジェクトで、事業者が外国人になるとのこと。それも、密入国者などちょっと危ない人たちとのことでした。

これもビビりましたが、やってみるとたしかに外国人。案の定、英語が訛ってますが、なんとか意思疎通できる。

こうして仕事で英語を使う機会を与えられた私は、仕事を通じて英語の実践経験を増やしていきます。

ときには上司が話した内容をその場で同時通訳的に英訳し、外国人の返答を日本語訳する。さらには、取り交わす文書の内容を英訳し、「English:●●(私の名前)」と記載した上で、外国人から文書にサインをもらう。

そういったことまでできる状態になっていました。

もちろん、プロ通訳の方と同レベルとはいきませんし、そういった方から見れば極めて低レベルな話かもしれませんが、現にそういった業務ができる状態に、私の語学力は進歩していました。

以上が、私の大まかな語学学習の軌跡です。

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